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自省録2

2018/4/21 燃えつきた地図 安部公房

【走った距離】  20.73km
【今月の累積距離】  152.66km
【天気】 快晴
【気温】 最高 26℃、最低 19℃
【体重】  64.2kg
【コース】自宅~豊里大橋
【コメント】
「燃えつきた地図」 (1967年)安部公房43歳のときの作品。
「砂の女」「他人の顔」とこの「燃えつきた地図」が「失踪」三部作とのこと。
 失踪したサラリーマンを捜索する探偵が、
 失踪者の足取りを追っているうちに事件に遭遇し、
 探偵自身が記憶を見失って失踪する。


 探偵は、半年前に失踪した夫を捜してほしいという依頼を受けた。
 しかし依頼者の妻は非協力的。
 依頼者の弟はヤクザの組長だが、ヤクザ間の抗争で殺害される。
 失踪者の部下は探偵に嘘の情報を流し、嘘を見破られると腹いせに首吊り自殺した。
 探偵は警察沙汰を嫌がる興信所をやめされらるが、
 その後も失踪者にかかわりのあるタクシー運転手をヤミで斡旋している喫茶店を
 調べていると、大勢の男たちに暴行を受けた。
 探偵は怪我をして、依頼人の女の家や街を彷徨い、
 記憶はあいまいになっていき、自分自身も失踪する...

 探偵小説のスタイルを用いた文体、追うものが失踪するという構成は
 ポール・オースターの作品につながるが、
「燃えつきた地図」はオースターの作品よりも20年以上前に書かれたもの。


 三島由紀夫は『燃えつきた地図』を、
 安部が小説の中に「会話の天才」を見事に活かし、
「砂の女」や「他人の顔」よりも、「はるかに迅速に疾走してみせた小説」だと高く評価した。


 ドナルド・キーンは巻末で
「前提から出発する発展は合理的ではなく、むしろ、いつのまにか
 メービウスの曲面のように、表裏の区別のつかない形になったり、
 又はポジがネガになったりする」と評価する。

2018/4/21 燃えつきた地図 安部公房_b0362900_17421630.jpg





by totsutaki3 | 2018-04-21 17:42 | 読書

市民ランナーの市井の日常。 日々の出来事、感動を忘れないために
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