自省録2

カテゴリ:読書( 114 )




2018/8/14 三島由紀夫「真夏の死--自選短編集」

【走った距離】  11.86km
【今月の累積距離】  156.57km
【ペース】 平均 7'28"/km、 最高 6'21"/km
【天気】 晴れ
【気温】 最高 37℃、最低 21℃
【体重】  63.8kg
【コース】自宅~百円橋
【コメント】
 三島由紀夫の第2自選短編集。

 収録作品:
 「煙草」 (1946年、三島21歳)
 「春子」 (1947年、三島22歳)
 「サーカス」 (1948年、三島23歳)
 「翼」 (1951年、三島26歳)
 「離宮の松」 (1951年、三島26歳)
 「クロスワード・パズル」 (1952年、三島27歳)
 「真夏の死」  (1952年、三島27歳)
 「花火」 (1953年、三島28歳)
 「貴顕」  (1957年、三島32歳)
 「葡萄パン」 (1963年、三島38歳)
 「雨のなかの噴水」 (1963年、三島38歳)

 三島の20代の作品を中心に30代の作品も3篇収録。

「旧作を読み返しておどろかれるのは、少年時代、幼年時代の思い出、
 その追憶の感覚的真実、幾多の小さなエピソードの記憶等が、

 少なくとも二十代の終り近くまでは実によく保たれていたということである。
 それらを一切失わせたのは、一つには年齢と、一つには社会生活の繁忙とであろう。
 きめこまやかな過去の感覚的記憶を玩弄していられるには、
 肉体的不健康が必要であり、(プルウストを見よ!)、
 健康体はそのような記憶に適しないのであろう。
 私が幼少年時の柔らかな甘い思い出を失う時期が、正に、
 私の肉体が完全な健康へ向う時期と符合しているのである」


「真夏の死」は伊豆の海岸で2人の幼子を失った母親の物語。
 実際に起こった水死事故を下敷きにして組み立てた。
「通常の小説ならラストに来るべき悲劇がはじめて極限的な形で示され、
 生き残つた女主人公朝子が、この全く理不尽な悲劇からいかなる衝撃を受け、
 しかも徐々たる時の経過の恵みによつていかにこれから癒え、
 癒えきつたのちのおそるべき空虚から、いかにしてふたたび宿命の到来を要請するか、
 といふのが一編の主題である。或る苛酷な怖ろしい宿命を、永い時間をかけて、
 やうやく日常生活のこまかい網目の中へ融解し去ることに成功したとき、
 人間は再び宿命に飢ゑはじめる」

  

b0362900_19555764.jpg
 


[PR]



by totsutaki3 | 2018-08-14 19:56 | 読書 | Comments(0)

2018/7/11 三島由紀夫「花ざかりの森・憂国――自選短編集」

【走った距離】  4.89km
【今月の累積距離】  84.61km
【ペース】 平均 5'19"/km、 最高 4'53"/km
【天気】 曇り
【気温】 最高 34℃、最低 28℃
【コース】自宅~淀川新橋
【コメント】
 三島由紀夫の自選短編集。
 今まで多くの短編小説集を読んできたが、
 この短編集からは非常に強いインパクトを受けた。
 収録作品:
 「花ざかりの森」
 「中世に於ける一殺人常習者の遺せる哲学的日記の抜萃」
 「遠乗会」
 「卵」
 「詩を書く少年」
 「海と夕焼」
 「新聞紙」
 「牡丹」
 「橋づくし」
 「女方」
 「百万円煎餅」
 「憂国」
 「月」

 どの小説も素晴らしいが、ここでは特に重要な
 「花ざかりの森」
 「詩を書く少年」
 「海と夕焼」
 「憂国」
 についてメモする。

 「花ざかりの森」(1944年 三島19歳)
  「わたし」の祖先をめぐる4つの挿話。
  三島が16歳の時に執筆した、早熟の神童性をうかがわせる作品。

 「詩を書く少年」(1956年 三島30歳)
  三島の自伝的作品

 「海と夕焼」(1955年 三島29歳)
  文永の鎌倉建長寺で寺男になっている老フランス人が、
  晩夏の夕焼けに遠い昔の少年時代を思い出し、
  聖地エルサレム奪還を目指し同志を率いてマルセイユの埠頭で祈念した時の
  挫折感と絶望を回想する物語。
  地中海が2つに割れる奇蹟を待望しながら至誠が天に通じなかった不思議、
  さらにその奇蹟の幻影自体よりも、神秘な沈黙の海に潜む
 「ふしぎな不思議」に思い至った心境を、三島自身の少年期の
  神風待望の心理と重ねつつ、人間と信仰の主題を描いている

 「憂国」(1961年 三島36歳)
  2.26事件で仲間から決起に誘われなかった新婚の中尉が、
  叛乱軍とされた仲間を逆に討伐せねばならなくなった立場に懊悩し、
  妻と共に心中する物語。
  大義に殉ずる者の至福と美を主題に、皇軍への忠義、
  死とエロティシズム、夥しい流血と痛苦をともなう割腹自殺が克明に描かれる。
  三島の代表作。
  友人と銃を交えるよりも諌死を選ぶ青年将校と夫に従う若妻の純真さ、
  マンディアルグに強い影響を与えたエロティシズム、
  リアルな切腹の描写、
  三島の天才を証明する作品。
 「もし、忙しい人が、三島の小説の中から一編だけ、
  三島のよいところ悪いところすべてを凝縮したエキスのやうな小説を
  読みたいと求めたら、『憂国』の一編をよんでもらえばよい」
  
b0362900_22382664.jpg


[PR]



by totsutaki3 | 2018-07-11 22:39 | 読書 | Comments(0)

2018/6/23 「すべては消えゆく」 マンディアルグ

【走った距離】  26.23km
【今月の累積距離】  234.19km
【ペース】 平均 '"/km、 最高 '"/km
【天気】 雨
【気温】 最高 25℃、最低 20℃
【体重】  64.2kg
【コース】自宅~城北大橋
【コメント】
 フランスの作家 アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグの
 最後の小説 「すべては消えゆく」(1987年)
 5月のやわらかい日ざしがふりそそぐ美しいパリ。
 初老の男ユゴーが地下鉄車内で娼婦でもあり女優でもあるミリアムと出会う。
 2人はサンジェルマン・デ・プレ教会やサンジェルマン大通りを散策し、
 熱帯植物が繁茂し、毒蛇や大蜥蜴の跋扈する娼館へと向かう。
 売春と演劇、エロスと幻想、娼館と劇場という多重構造を舞台に
 性と血の儀式を繰り広げる。
 仏文学者にしか分からない多くの暗喩が織り込まれたシュールレアリズム小説。 

 行きつけの香里園の散髪屋「マッハ」のお兄さんにもらった本。
b0362900_20033452.jpg


[PR]



by totsutaki3 | 2018-06-23 20:03 | 読書 | Comments(0)

2018/6/21 安部公房一気読み

【走った距離】  4.88km
【今月の累積距離】  203.02km
【ペース】 平均 5'23"/km、 最高 5'01"/km
【天気】 晴れ
【気温】 最高 27℃、最低 24℃
【コース】自宅~淀川新橋
【コメント】
 安部公房の作品 長編11編、短編53編を一気読み
 安部公房を読むのはほとんど学生時代以来。

 パブロ・ピカソに青の時代やキュビスムの時代、ゲルニカの時代があるように
 安部公房も作風が変化する。
 生きる苦しさを紛らわすために書いた散文詩のような「壁」、
 満州や戦後の飢餓期を描いた 「飢餓同盟」「けものたちは故郷をめざす」、
 代表作の続いた「第四間氷期」 「砂の女」 「他人の顔」 「友達」 「燃えつきた地図」、
 プレッシャーに苦しみながら身体を削るようにして書いた
「箱男」「密会」「方舟さくら丸」「カンガルー・ノート」。


「箱男」は完成に約5年半かかり、原稿用紙300枚の完成作に対して、
 書きつぶした量は3千枚を越えた。
 安部公房はワープロを最初に使った作家としても知られる。
「200枚もの原稿を反故にする。それくらいまで書かないと、
 冒頭が間違っていたかわからないらしいんです。 
 だからワープロになって本当に良かったって言っていましたね」(山口果林)

 安部公房は補助線を1本引くことによって幾何の問題を鮮やかに解くように、
 シンプルな小道具で本人も気づかなかった人間の深淵を暴き出す。
 小道具は壁であったり、仮面であったり、砂であったり、
 段ボール箱であったり、便器であったりする。


 同じテーマを続けることはないが、
 理系人間の安部公房には科学や技術がどの作品でも重要なモチーフ。
 予言機械という未来予測コンピューターや水棲人間、
 人間の脳細胞を数千倍化した人造超人、
 観客が映画の内容を実体験できるシステム、
 盗聴器で患者や職員を監視する病院...
 安部公房が今でも生きていたら、現代の地球温暖化やAI、遺伝子工学、VR、
 監視社会をどのように作品化しただろうか?

 スウェーデンに旅行した時、王立アカデミーの人に
「次にスウェーデンに来るときにはサクラマルに乗っていらっしゃい」 
 と言われたそう。
 急性心不全で68歳で亡くならなければ、
 安部公房がノーベル文学賞を受賞し、大江健三郎が受賞することはなかっただろう。

b0362900_22032361.png


 


[PR]



by totsutaki3 | 2018-06-21 22:04 | 読書 | Comments(0)

2018/6/11 「安部公房とわたし」山口果林

【走った距離】  4.90km
【今月の累積距離】  126.42km
【ペース】 平均 6'13"/km、 最高 5'44"/km
【天気】 曇り時々小雨
【気温】 最高 27℃、最低 21℃
【コース】自宅~淀川新橋
【コメント】
 安部公房の愛弟子であり、事実上の伴侶であった山口果林から見た安部公房。
 安部さんが亡くなったあと、私は私自身の人生を作り直してきたと思っています。
 もしあのとき安部公房さんが生き続けていたら……と考えずに、
「自由を与えてくれたんだ」と思うようにして、自信を持って生きてきたと今は言えます。


■作品との関連
 安部公房と付き合い始めてから書かれた
『箱男』、『密会』、『方舟さくら丸』、『カンガルー・ノート』には
 安部公房と山口果林の生活の中から生まれたエピソードが描かれているらしい。
『箱男』の看護婦、『密会』の秘書、『方舟さくら丸』のガールフレンド、
『カンガルー・ノート』の看護婦のモデルも山口果林だと思う。

■創作の厳しさ、プレッシャー
 200枚もの原稿を反故にする。それくらいまで書かないと、
 冒頭が間違っていたかわからないらしいんです。
 だからワープロになって本当に良かったって言っていましたね。
 原稿用紙のときは本当に大変だったと思います。
 書くことが安部さんの人生。作品がだんだん賞の対象になってくると、
 次の作品を書くのが苦しくなっていくとはおっしゃっていた。
 ちょうど私がおつきあいをはじめたころは、
『砂の女』で文壇の中での影響力も大きくなってきたころでした。

 川端康成さんだって自死なさった。作家ってつねに大変なところに置かれている。

 安部さんも書くことに関しては厳密だったし、
 つねに「前の作品を超えなければいけない」という苦しさで、
 書く期間も長くなっていったし、だめだと思ったら反故にする……
 それは若いときよりもどんどん厳しくなっていった。

■ノーベル賞
 ノーベル賞は意識していたと思います。
 晩年は10月のノーベル文学賞発表日のころになると、いやがっていましたね。
「(周りが)うるさい」と。たまたまその時期に箱根の別荘にいたとき、
 新聞記者がシャッターをたたいた。
 それで「あ、今日がその日よ」と。
 すぐクルマにのって界隈をぐるぐる回って時間をつぶし、
 NHKのニュースで別の人が受賞したとわかったら帰る、なんてこともありました。

 でもやっぱり、欲しかったと思います。本人の中では。

 担当編集者の方たちとスウェーデンに行ったとき、アカデミーの方に
「次にスウェーデンに来るときにはサクラマルに乗っていらっしゃい」
 と言われたということは、お土産話として聞いたことがありますので、
 たぶん(賞に)近かったんだとも思います。
 亡くならなければ、受賞していたのだろうと思います。


■文体
 晩年の安部公房さんは「義務教育を出た人が誰でも読める形容詞や言葉遣いに
 すごく心を砕いていたと思います。

 若いころは戦争を体験して、自分自身で医学部に入るということで兵役を免除された。
 文章を書くことで、その時代を生き抜く苦しさを紛らわせた。
 生きるために書く、ということだったと思います。

 それが作家としての評価を確立してからは、変わったと思う。
 文章も、言葉の選び方も。

b0362900_22075716.jpg


[PR]



by totsutaki3 | 2018-06-11 22:11 | 読書 | Comments(0)

2018/6/4 カンガルー・ノート 安部公房

【走った距離】  4.96km
【今月の累積距離】  51.24km
【ペース】 平均 5'59"/km、 最高 5'34"/km
【天気】 晴れ
【気温】 最高 30℃、最低 23℃
【コース】自宅~淀川新橋
【コメント】
「カンガルー・ノート」 (1991年)安部公房67歳、逝去の2年前の作品。
 刊行された安部公房の最後の長編小説。
 フランツ・カフカの「変身」のザムザ君のように
 ある朝、男が目覚めると目覚めると脛(すね)にかいわれ大根が生えていた。
 皮膚科を訪れるが治療法は分からない。
 病院の医師によって自動運転車のようなベッドに括り付けられ、
 療養のために硫黄温泉を目指す。
 地下坑道、賽の河原、病院、終着駅を遍歴し、
 子鬼によって段ボール箱に入れられる。
 子鬼が御詠歌を歌い、苦しむ患者を入院患者が安楽死させる。
 小説の最後には男の死を伝える新聞記事が添えられる。
 死のイメージをモティーフにした「安部公房版地獄めぐり」。
b0362900_21510303.jpg


[PR]



by totsutaki3 | 2018-06-04 21:51 | 読書 | Comments(0)

2018/5/31 カーブの向う・ユープケッチャ 安部公房

【走った距離】  4.93km
【今月の累積距離】  384.82km
【ペース】 平均 5'34"/km、 最高 5'19"/km
【天気】 曇りのち雨
【気温】 最高 21℃、最低 19℃
【コース】自宅~淀川新橋
【コメント】
「砂の女」、「燃え尽きた地図」、「方舟さくら丸」の原型となった短編と
 初期の短編を含む安部公房の短編集。

 ごろつき 1955年 
 手段 1956年
 探偵と彼 1956年
 月に飛んだノミの話 1959年
 完全映画 1960年
 チチンデラヤパナ 1960年 「砂の女」の原型
 カーブの向う 1966年「燃え尽きた地図」の原型
 子供部屋 1968年
 ユープケッチャ 1980年 「方舟さくら丸」の原型
 
 長編に比べて完成度の低い習作ではなく、
 他の部分をそぎ落とすことによって、
 主題が鋭い切れ味で表れている。
b0362900_21391406.jpg


[PR]



by totsutaki3 | 2018-05-31 21:39 | 読書 | Comments(0)

2018/5/28 方舟さくら丸 安部公房

【走った距離】  5km
【今月の累積距離】  370.03km
【ペース】 平均 6'14"/km、 最高 5'50"/km
【天気】 曇り
【気温】 最高 26℃、最低 23℃
【コース】自宅~淀川新橋
【コメント】
「方舟さくら丸」 (1984年)安部公房60歳のときの作品。
 地下の巨大な採石場跡に現代の箱舟とも言うべき核シェルターを作った
 元カメラマンの「もぐら」と自称する隠遁者と
 箱舟の乗客の元自衛隊の「昆虫屋」、
 元サラ金の取立ての「サクラ」、
 結婚詐欺経歴のある「サクラ」のガールフレンドの長い一日。
 核時代の方舟に乗ることができる者は誰なのか?
 
 安部公房は補助線を1本引くことによって幾何の問題を鮮やかに解くように、
 シンプルな小道具で本人も気づかなかった人間の深淵を暴き出す。
 小道具は仮面であったり、砂であったり、段ボール箱であったり、
 坂道であったりする。
「方舟さくら丸」の小道具は採石場跡の核シェルター。 
 ただし「もぐら」の自己逃避の世界が崩れるものの、
 普遍的な深淵を覗かせてくれることはなかった。
b0362900_21361890.jpg


[PR]



by totsutaki3 | 2018-05-28 21:36 | 読書 | Comments(0)

2018/5/16 密会 安部公房

【走った距離】  4.95km
【今月の累積距離】  272.54km
【ペース】 平均 6'05"/km、 最高 5'49"/km
【天気】 快晴
【気温】 最高 27℃、最低 22℃
【体重】  65.4kg
【コース】自宅~淀川新橋
【コメント】
「密会」 (1977年)安部公房53歳のときの作品。
 救急車で連れ去られた妻を捜すために巨大病院に入り込んだ男の物語。
 巨大なシステムにより盗聴器で行動を全て監視されていた男の迷走。
 盗聴器をしかけられ全て監視されていた主人公が、そのテープを聞きながら、
 自身の行動記録を三人称の「男」を用いて、ノートに記述していったものを
 読者がたどるという複雑な構成。
 切断した他人の下半身をコルセットで装着して4本足になった馬人間(副院長)や、
 死んだ女の卵子と精子銀行の混合精子から合成された副院長の秘書の女、
 溶骨症の少女などグロテスクな登場人物とともに
 巨大病院の迷路を妻を探して彷徨う。

 不条理なシステムの中で主人公が出口を求めるという点ではカフカの城を
 連想させる。
 今まで読んだ安部公房の小説の中では最も複雑。
 密会の病院は盗聴器で患者や職員を監視しているが、
 現代社会は監視カメラやウェッブのアクセスで全行動が監視されている。
 安部公房がまだ生きていたらどのような密会を書いただろうか?
b0362900_21285435.jpg
 
  

[PR]



by totsutaki3 | 2018-05-16 21:29 | 読書 | Comments(0)

2018/4/27 箱男 安部公房

【走った距離】  0km
【今月の累積距離】  169.32km
【天気】 晴れ
【気温】 最高 22℃、最低 17℃
【コメント】
「箱男」 (1973年)安部公房49歳のときの作品。
 安部公房の作品はどの作品も設定、スタイル、内容が独創的だが、
 その中でも箱男は飛びぬけて斬新である。
 観るものと見られるもの
 本物と偽物
 書き手と書かれる対象
 がエッシャーの絵のように巧妙に入れ替わる。
「燃えつきた地図」の次に書かれた長編だが、完成に約5年半かかり、
 原稿用紙300枚の完成作に対して、書きつぶした量は3千枚を越えた。 

 各章のタイトル
 《上野の浮浪者一掃 けさ取り締り 百八十人逮捕》
 《ぼくの場合》
 《たとえばAの場合》
 《安全装置を とりあえず》
 《表紙裏に貼付した証拠写真についての二、三の補足》
 《行き倒れ 十万人の黙殺》
 《それから何度かぼくは居眠りをした》
 《約束は履行され、箱の代金五万円といっしょに、
  一通の手紙が橋の上から投げ落とされた。
  つい五分ほど前のことである。その手紙をここに貼付しておく》
 《………………………》
 《鏡の中から》
 《別紙による三ページ半の挿入文》
 《書いているぼくと 書かれているぼくとの不機嫌な関係をめぐって》
 《供述書》
 《Cの場合》
 《続・供述書》
 《死刑執行人に罪はない》
 《ここに再び そして最後の挿入文》
 《Dの場合》
 《………………………》
 《夢のなかでは箱男も箱を脱いでしまっている。
  箱暮しを始める前の夢をみているのだろうか、
  それとも、箱を出た後の生活を夢みているのだろうか……》
 《開幕五分前》
 《そして開幕のベルも聞かずに劇は終った》 
 《………………………》
b0362900_22312148.jpg
 

[PR]



by totsutaki3 | 2018-04-27 22:31 | 読書 | Comments(0)

市民ランナーの市井の日常。 日々の出来事、感動を忘れないために
by totsutaki3
プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る

最新のコメント

andyさん いつもご..
by totsutaki3 at 19:11
素晴らし夜桜 いつもな..
by andy at 10:37
アドさん コメントあり..
by totsutaki3 at 21:52
はじめまして。 タイガ..
by アド at 21:59
desure_san ..
by totsutaki3 at 22:01
こんにちは・ 私もブリ..
by desire_san at 06:59
55ishibashiさ..
by totsutaki3 at 22:02
当選おめでとうございます..
by 55ishibashi at 06:32
desire-san ..
by totsutaki3 at 21:29
こんにちは、 私もミュ..
by desire_san at 13:52

最新のトラックバック

venussome.com
from venussome.com

検索

最新の記事

2018/12/11 ミュン..
at 2018-12-11 21:02
2018/12/10 ミュン..
at 2018-12-10 19:46
2018/12/8 ミュンヘ..
at 2018-12-09 18:33
2018/12/8 ミュンヘ..
at 2018-12-08 16:31
2018/12/7 ミュンヘ..
at 2018-12-07 23:57